主な背景と理由

• 賃金上昇の継続見通し: 来年の春闘に向けた企業の賃上げ姿勢が前向きで、高水準の賃上げが期待される。日銀は本支店を通じて情報を収集し、手応えを感じている。
• 物価動向: 消費者物価指数（生鮮食品除く）が3%超の上昇を続け、2%目標を上回る状況。円安による輸入物価押し上げも影響。
• 海外リスクの低下: 米トランプ政権の関税政策などの不確実性が低下し、経済見通しの実現確度が高まった。
• 植田和男総裁の発言: 12月1日の講演で、12月会合で「利上げの是非を適切に判断したい」と明言。市場では事実上の予告と受け止められている。

市場・エコノミストの見方

• Bloomberg調査: 全50人のエコノミストが12月利上げを予想。
• Reuters調査: 90%以上のエコノミストが0.75%への引き上げを予測。
• 将来的な利上げ余地: 中立金利（景気を刺激も抑制もしない水準）は1%～1.5%程度とされ、0.75%でもまだ到達していないとの見方。2026年以降も複数回の利上げ（半年ごと程度）が想定される。

影響の見込み

• 円安是正: 日米金利差縮小で円高圧力がかかる可能性。
• 家計・企業: 住宅ローン変動金利の上昇、預金金利の上昇。全体として家計への影響はプラス（預金恩恵＞借入負担）と試算されるケースも。
• 株価・経済: 緩和的な環境維持のため急激なブレーキではなく、正常化プロセスと位置づけ。

会合結果は19日午後に発表され、植田総裁の記者会見で詳細が明らかになります。