通常、利上げが行われるとその国の通貨は高くなりやすいです。理由は、金利が高い国に資金が流入し、通貨需要が増えるためです。例えば、日銀が利上げすれば日米金利差が縮小し円買い・ドル売りが進んで円高になるのが教科書的な動きです。しかし、2025年12月19日の日銀の利上げ(政策金利を0.75%に引き上げ、30年ぶりの高水準)後、逆に円安が進み、ドル円が157円台まで下落しました。なぜこうした逆の反応が起きたのか、主な理由を以下にまとめます。
1. 利上げが「予想通り」で、追加利上げの期待が弱かった
- 日銀の利上げ自体は市場で広く予想されており、発表時点で既に織り込まれていました。
- 植田総裁の記者会見で、追加利上げのタイミングやペースについて明確で強いシグナルが出ず、「慎重」「手探り」と受け止められました。
- 市場は「これ以上の急速な利上げは期待薄」と判断し、材料出尽くしで円売りが優勢に。結果、円安が加速しました。
2. 日銀の利上げペースがインフレに追いついていない
- 日本のインフレ率が高い中、利上げ幅(0.25%)やペース(年1-2回程度)が不十分と見なされています。
- 実質金利(名目金利 – インフレ率)は依然としてマイナス圏で低く、円の魅力を高める効果が限定的です。
- これにより、持続的な円高圧力が働かず、円安が継続しやすい状況です。
3. 日本の財政悪化懸念(高市政権の積極財政政策)
- 高市早苗政権の大型補正予算や積極財政路線が、財政赤字拡大・国債発行増を招き、海外投資家から「日本の財政・円の信認低下」と警戒されています。
- これは2022年の英国トラス政権時の「金利上昇なのに通貨安」現象に似ており、市場が財政リスクを嫌気して円売りを強めています。
- 日米金利差縮小の円高要因を上回る「潜在的な円安圧力」が働いていると指摘されています。
まとめ
一般論では利上げ → 円高ですが、現在の日本では市場の期待不足、緩やかな利上げペース、財政不安が重なり、逆の円安反応となっています。日銀は今後も物価・為替動向を注視し、追加利上げの可能性を示唆していますが、ペース次第で円安が続くリスクがあります。将来的には、利上げが加速すれば円高圧力が強まる可能性もありますが、現時点では財政要因が重石となっています。

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